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2016 年度 実績報告書

先天色覚異常の脳内色表象に関する研究:遺伝子解析と脳機能イメージングの統合

研究課題

研究課題/領域番号 15H03464
研究機関京都大学

研究代表者

山本 洋紀  京都大学, 人間・環境学研究科, 助教 (10332727)

研究分担者 上山 久雄  滋賀医科大学, 医学部, 客員准教授 (30127013)
山城 博幸  藍野大学, 公私立大学の部局等, 助教 (60582038)
村木 早苗  滋賀医科大学, 医学部, 講師 (90335175)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード2色覚 / ユニバーサルカラーデザイン / 色覚検査 / 遺伝子解析 / 色名 / 色覚
研究実績の概要

日本に300万人いるとされる先天赤緑色覚異常は、一部の色弁別が難しく、日常生活で様々な不利益を被っている。近年、これを防ぐために配色を工夫するカラーユニバーサルデザイン(CUD)の機運が高まっている。本研究の目的は、先天赤緑色覚異常の脳過程を、遺伝子解析と脳機能イメージングで明らかにすることである。色覚異常の脳内過程が解明され、色覚の多様性に関する理解が深まれば、CUDをより一層高めることができる。本研究には、現在のCUDの土台となっているBrettelらの2色覚モデルの脳科学による検証という側面もある。このモデルでは、先天赤緑色覚異常者は赤と緑を感じることができないと仮定しているが、これに反して、異常者でも赤と緑を感じていることを示す心理学的な証拠が多々ある。脳科学的な視点からこれを検証し、CUD への提言を行うのも本研究の重要な目的の一つである。
本年度は、前年度の30名に加えて、10名の先天赤緑色覚異常者に対して臨床的色覚検査と遺伝子解析を実施した。その後、脳実験に先駆けて、2色覚モデルを検証する心理実験を行った。具体的には、LまたはM錐体のいずれのみをもつ2色覚者を遺伝子解析に基づき10名選出し、その色の見えを、臨床的色覚検査、質問紙調査、色名応答課題、および自然画像刺激に対する色の自然さの評価課題を行った。その結果、色の見えは保有する錐体が同じでも多様でありこと、全2色覚者が赤と緑を区別して呼称するなど減食モデルでは説明できない赤―緑軸の残存が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

遺伝子解析、色覚検査と心理実験が完了した先天色覚異常者が現在40名で予定数にあと20名不足している。また、本年度、被験者の色の見えが予想以上に多様であったため、それを確認する心理実験を優先的に行った影響で、MRI実験と解析が予定より遅れた。

今後の研究の推進方策

1)新たな被験者を10名以上集め、色覚検査と遺伝子解析を実施する(~7月末)。
2)先天色覚異常および統制群のMRI実験(未実施約半数)を行う(~9月末)
3)MRIの解析を行い、先天色覚異常と正常色覚の神経結合を比較する(9月末)。
4)加えて、脳内色表象の実験を並行して行う。

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公開日: 2018-01-16  

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