研究課題/領域番号 |
15H03476
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
小川 正人 放送大学, 教養学部, 教授 (20177140)
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研究分担者 |
村上 祐介 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 准教授 (00423434)
島田 桂吾 静岡大学, 教育学部, 講師 (20646674)
川上 泰彦 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (70436450)
本多 正人 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (90282623)
植竹 丘 共栄大学, 教育学部, 講師 (90635244)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 2014年改正地教行法 / 教育委員会制度 / 教育委員会事務局職員 / 教育行政職 / 子ども子育て新制度 / 自治体幼児教育政策 |
研究実績の概要 |
平成29年度の調査研究としては、3つの研究グループで以下のような調査研究を進めた。 ①2014年地教行法改正が自治体教育行政と教育委員会の運営に及ぼす影響を明らかに するために、全国市町村(首長、教育長)に対する悉皆アンケート調査を実施した、②教育委員会の政策立案企画力の向上が期待される中で教育委員会事務局の職員組織と人事の在り方については、これまでの事例調査研究を引き続き行い、特に、教育委員会事務局職員の採用人事で首長部局の行政職採用(一元化)から、近年、新たに「教育行政職」採用枠を導入した2県(宮崎県、佐賀県)の訪問調査を実施し、教育委員会事務局の職員構成と人事の在り方に関する基本的課題を整理する作業を行った、③子ども子育て新制度による自治体の幼児教育政策に関しては、特に、地方自治体の総合教育会議において乳幼児期の子ども・保育に関わる施策がどのように議論されているか、その議題の設定や審議の状況等について調査を行い幼児教育政策の変化等を整理する作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ当初の計画通りに調査研究の作業は進んでいる。(1)2014年地教行法改正が自治体教育行政や教育委員会運営にどのような影響を及ぼしているのかに関しては、これまでの理論的研究や先行研究の検討を通して論点を整理したうえで、全国市町村(首長、教育長)への悉皆アンケート調査票を作成し調査を実施した(回収率:首長58%、教育長67%)。その詳細な分析は、平成30年度に行う予定である。(2)教育委員会事務局の職員組織と人事に関しては、事務局職員の組織構成や人事に関して特徴的な取り組みを行ってきたほぼ全ての県(平成29年度は、佐賀県と宮崎県を訪問調査)について訪問調査を行うことができ必要な資料・データを収集できた。これまで収取した資料・データを基に分析し課題を整理する作業を平成30年度に行う予定である。(3)子ども子育て新制度施行により全国自治体の幼児教育推進体制がどのように構築されてきているか等に関して担当部署に対するアンケート調査と先進県とみられている静岡県と高知県の事例調査に取り組んだ。幼児教育推進体制の構築に関するアンケート調査結果については平成30年度に分析する予定である。 唯一手を付けることができなかった点は、政令市への県費負担教職員給与移管に関する調査研究である。2017年4月に給与移管が実施されたが、殆どの政令市が様子見の状況で、給与移管に伴う政令市の教育行政施策の手直しが見られなかったことなどが理由である。
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今後の研究の推進方策 |
(1)教育委員会制度改革Gは、平成29年度実施の市町村悉皆調査(首長、教育長)の分析を2005年度、2013年度の調査結果と比較しつつ行う。分析は、2014年地教行法改正に係わる論点(教育大綱、総合教育会議、首長の教育行政への関与、教育長の地位・権限等)を中心に行うが、教育委員会制度に対する評価等に関し経年的分析も試みたい。 (2)教育委員会事務局の職員編成・人事Gは、教育委員会事務局職員の採用・人事パターンの全国的状況を整理して、その類型化と類型別の特徴と行政運営上の課題を明らかにする。その上で、特徴があり今後の検討課題に示唆的な事例調査研究を整理し、教育委員会事務局職員の組織と人事に関する行政運営上の課題を論じる。 (3)子ども子育て新制度の自治体幼児教育政策Gは、平成29年度に実施した「幼児教育の推進体制構築事業」に関わるアンケート調査分析を行い全国自治体の多様な幼児教育政策の推進体制を類型的に整理したい。その上で、類型別に幼児教育政策の特徴を整理しその要因を明らかにする作業を試みたい。
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