研究課題
基盤研究(B)
理論的研究においては、「モノ」という視点が、現代的条件のもとで「経験」の可能性を構想し、ドイツ語圏の教育思想が構想してきた人間形成(Bildung)を起動させる上で、有効な手がかりとなることを確認した。経験的研究においては、現代美術と子どもたちとの関わりのなかで、既成の意味に解消できないような対象の物質性(「モノ」)が浮上する可能性があること、また、そのようなモノの次元は、それを意味の次元に還元しがちな鑑賞の場面でよりも、美的な制作の場面で経験される可能性が高いことを明らかにした。以上の研究成果は、海外研究者8人を含む17人が寄稿した研究成果報告書(全355頁)にまとめた。
教育哲学・教育思想史