本研究は、すでに2013年度に実施された『教育と仕事に関する全国調査』プロジェクトの研究成果をさらに応用的に発展させ、従来は中bんな実証的基盤を持ちきれなかった「教育体験と社会階層」という古くて新しいテーマについて、信頼性の高いデータに裏付けられた理論的展開を新たに目指そうとするものである。その具体的成果として、内外への論文発表・著書刊行、インターネット上での発信が目指された。研究最終年度であるため、具体的な成果発信が中心の活動となった。第一に、和文図書の刊行であるが、すべての研究メンバーの担当原稿は脱稿され、3月末に刊行される予定であったが、出版社側の事情により校正が遅れており、2018年度前半での刊行の予定となっている。当初予定より大きく遅れているが、あとは出版社が刊行してくれるのを待つだけの状況にはなんとかこぎ着けることができた。第二に、同時並行で進めていた英文出版については、複数の原稿を英文化することができ、出版の第一段階の準備までは完了することができた。第三に、インターネット上での研究発信については、本プロジェクトの発信拠点となっているホームページを英文化することができた。今後は順次、英語化された論文をこのサイトを通じてアップロードし、世界に発信している予定である。当初は海外雑誌への投稿を目指していたが、現時点ではその目標は達成できなかった。ただし、発信できる研究成果は上がっているので、それらを順次海外へと発信していく予定であり、その基礎的作業は本プロジェクトによって成し遂げることができた。
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