研究課題/領域番号 |
15H03492
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研究機関 | 放送大学 |
研究代表者 |
岩崎 久美子 放送大学, 教養学部, 教授 (10259989)
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研究分担者 |
豊 浩子 国立教育政策研究所, その他部局等, フェロー (00727688)
立田 慶裕 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (50135646)
須原 愛記 国立教育政策研究所, その他部局等, フェロー (50731585)
福本 徹 国立教育政策研究所, 生涯学習政策研究部, 総括研究官 (70413903)
金藤 ふゆ子 文教大学, 人間科学部, 教授 (90254903)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 教育格差 / 子供の貧困 / 格差是正 / セーフティネット / NPO / チャリティ |
研究実績の概要 |
本研究は、貧困家庭の増加など、子どもをめぐる成育環境の悪化が社会問題化し、家庭の社会経済的背景に由来する教育格差が拡大・再生産される懸念が生じている中で、国内外の格差是正のための先導的事例を検証し、我が国の施策に資する知見を提供することを目的としている。 平成29年度は、英国に焦点を当て、子供の貧困に関する関係書籍や文献による分析を行い、併せて英国での現地調査を実施した。 英国の現地調査では、英国に在住する海外共同研究協力者とともに子供の貧困問題を扱うチャリティ団体を特定し、視察・関係者への聞き取りを行った。 訪問したチャリティ団体は、①就学前教育や保育の分野の研究にさまざまな助成金を提供しているNuffield Foundation、②ロンドン市長がパトロンでロンドンの貧困層の子供たちを対象にウェルビーイング、スキル、雇用と起業に関する支援を行うThe Mayor's Fund for London、③Lambeth地区の貧困家庭に対し10年計画の早期介入プログラムを多機関連携により実施しているLambeth Early Action Partnership、④ホームレスの若者に住居を提供、雇用支援、教育(英語、リテラシー、ITスキル、職業訓練、幼児教育、育児教育)などを通して雇用機会や社会復帰を支援するThe Cardinal Hume Centre、⑤貧困と子供の保護に関するプログラムを提供することを通じ課題を把握し国、地方自治体への政策提言を行っているThe Children's Society、⑥貧困、恵まれない環境、社会的孤立状態にある人々への実践的、情緒的、財政的支援を行う英国で最も古いチャリティの一つであるFamily Actionである。 これらの聴取内容の一部は、雑誌『社会教育』に、英国NPO(チャリティ)の事例紹介として連載している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度米国調査、平成28年度フランス調査に続き、平成29年度は英国における現地調査を予定どおり実施し、その成果の一部を雑誌等で発表しているため。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、平成27年度の米国ベイエリアNPO調査、平成28年度のフランスのアソシアシオン調査、平29年度の英国のチャリティ調査の成果をとりまとめ、それぞれの国の取組みについて概説し、これまで雑誌論文として掲載してきた事例とともに報告書としてとりまとめ刊行する。
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