研究分担者 |
内川 義和 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (10331159)
小野 弓絵 明治大学, 理工学部, 専任教授 (10360207)
原 直人 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (30265699)
岩崎 淳也 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 講師 (40757027)
畦上 恭彦 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (70337434)
岡野 真弓 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (80320498)
四之宮 佑馬 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (90399759)
鈴木 賢治 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (90433599)
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研究実績の概要 |
1.衝動性眼球運動の4種類の課題(step,gap,overlap,anti)を用いて、発達障害児群33名(平均8.5歳, 4.8-13.2歳)と定型発達児群30名(平均8.2歳, 5.1-12.4歳)で眼球運動データを取得することができ、潜時、ピーク速度、初期到達度、anti課題でのエラー率を群間で比較した。その結果、視標を右側に提示した際に発達障害児ではstep課題で潜時延長と、overlap課題でピーク速度の低下が認められた。発達障害児では、視標を右側に提示した時に左側と比較して、overlap課題とanti課題で潜時は短縮し、step課題とoverlap課題でピーク速度の低下が認められた。anti課題の潜時短縮は特に自閉症スペクトラム障害(以下、ASD)児に顕著であった。 2.定型発達児では年齢が増すほどanti課題でのエラー率は低下する傾向を示したが、注意欠如・多動性障害(ADHD)児ではエラー率は低下せず、抑制機能の発達の遅れが示唆された。 3.新奇語彙の獲得課題において、ASD児は定型発達児と比較して視線と非社会的刺激が競合した場合に新奇語彙を適切に獲得するのが困難となることが明らかとなった。 4.本課題の最終目標は発達障害児の視機能と眼球運動の特性を明らかにし客観的評価を試みることであるが、眼球運動制御において左右提示側による差異(非対称性)の存在が示唆され、非接触型視線解析装置を用いることで、これまで報告のなかった5歳前後の低年齢の発達障害児でも評価可能であることが明らかになった。 5.今後は視線制御の左右非対称性を定量化し、語彙獲得および手指の協調運動との関連を検討することで、リハビリテーションにフィードバックしていく必要がある。
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