研究課題/領域番号 |
15H03516
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
神尾 陽子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 児童・思春期精神保健研究部, 部長 (00252445)
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研究分担者 |
渡辺 範雄 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, トランスレーショナル・メディカルセンター, 室長 (20464563)
笹森 洋樹 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, その他部局等, 総括研究員 (40419940)
石川 信一 同志社大学, 心理学部, 准教授 (90404392)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 通常学級・リソースルーム / ユニバーサル支援 / 発達障害特性 / 個人差 / 心の健康増進 |
研究実績の概要 |
通常学級在籍児童生徒の数%には発達障害が予測され、さらに多数の児童生徒には診断閾下であっても強い特性が認められることが明らかになっている。彼らは学校適応に困難を持ちやすく、メンタルヘルスや不登校のリスクが高く、後に「二次障害」に発展しやすいハイリスク児である。また国民病と言われるうつ病については思春期前後からメンタルヘルスの問題を抱えていることがわかっており、すべての児童生徒に早期からの心の健康教育の重要性は大きい。本研究は、第一に早期対応の観点から日本の小学校通常学級での実施でき、第二に児童の発達特性などの個人差を考慮した広汎なメンタルニーズに対応できるメンタルヘルス予防プログラムを開発し、その実施可能性および有用性を実証的に示すことを目的とする。H27年度は、メンタルヘルス予防プログラムと教師向け実施マニュアルの作成を行った。プログラム作成に際しては、子どものうつ病や不安障害などに有効性が実証されている認知行動療法的アプローチをベースとしながらも、対象の多様性を考慮した診断(リスク)横断的なユニバーサルプログラムであるという点で、従来の認知行動療法プログラムと異なっている。また、マンガを導入し、キャラクターを用いたメタファーを活用した説明を取り入れ、グループ活動も想定した内容としており、小学生でも理解しやすいように工夫した。協力校との話し合いの結果、導入可能な12回に絞り込んだセッション構成とした。またアセスメントのための検査バッテリーを含むパイロット研究計画を検討し、必要なアセスメントの開発および検証を実施した。繰り越した平成28年度には、平成27年度に予定されていた教師向け研修用のDVDを作成し、パイロット研究協力校(岐阜、埼玉、京都の3県5市町村8小学校)の4-6年生合計24クラス担任を対象とする研修を夏季休暇中に実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りに進行した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は無作為化比較対照研究(RCT)を予定していたが、平成27年度の遅れに伴い、平成28年度はパイロット研究の実施に充てることとする。その結果を踏まえて、RCTの可否やプログラムの見直しなどを実施する予定である。
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