研究課題
本年度は、金ナノクラスターの合金化や有機色素や高分子との複合化した光増感剤を新規に開発した。これら、金ナノクラスター光増感剤によるa-PDT効果を口内細菌に対して実証することができた。1)FRET機構を利用した金ナノクラスター/有機色素複合体による高効率1O2発生:生体親和性の高いウシ血清アルブミンで保護された金25量体金クラスター (BSA-Au25NCs) と 1O2 を発生する光増感剤であるメチレンブルー (MB) との複合体 (BSA-Au25NCs / MB複合体) を合成した。紫外可視吸収スペクトルより,BSA-Au25NCs / MB複合体は,BSA-Au25NCsとMBそれぞれ特有の吸収を示すことから,複合体の形成を確認した。BSA-Au25NCsの蛍光ピークとMBの吸収ピークが重なっており、BSA-Au25NCsをドナー、MBをアクセプターとするエネルギー移動の可能性が示唆された。このエネルギー移動(FRET)は,複合体におけるBSA-Au25NCsの蛍光強度の減少ならびに蛍光寿命が短くなることから示された。 BSA-Au25NCs / MB複合体(0.3:1)のエネルギー移動効率は,57.2%であった.2) 合金ナノクラスターとキトサンナノゲルとの複合体による凝集誘起型光増感剤による高効率1O2発生:金と銀の合金クラスター (AuAgNCs)とキトサンとの静電的な架橋により生成する「合金クラスター含有キトサンナノゲル:AuAgNCs@nanogel」を創成した。AuAgNCsの蛍光寿命寿命は1.7 マイクロ秒であったのに対し,AuAgNCs@nanogelでは3.4マイクロ秒と2倍以上に増大した。白色光照によるAuAgNCs@nanogelの1O2生成能はAuAgNCsの4倍以上であった。上記の光増感剤についてのa-PDT効果を口内細菌に対して実証することができた。BSA-Au25NCs / MB複合体の添加と光照射はS.mutansに対してバイオフィルム形成を抑制、死菌を増加させた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (2件)
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