4H-SiC結晶中の30度-Si部分転位の電子励起転位すべり効果を理解するため、透過電子顕微鏡(TEM)内でのサブギャップ光照射により電子励起環境を形成し、光誘起されたすべり運動をその場TEM観察した。高品質結晶に意図的に導入したフレッシュな転位で、2.71eVと3.06eVのレーザー光照射によるすべり運動を確認した。運動の起源は深さ0.55eV以下に存在する転位の局在電子準位の光イオン化と結論づけた。運動を支配するのは転位上でのキンクのドリフト運動、運動の駆動力は転位が取り囲む積層欠陥のエネルギーと転位にかかる線張力と仮定し、キンク移動のための活性化エネルギーを0.6eV以下と見積もった。
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