高効率太陽光水分解の実現に向けて、酸化鉄半導体光電極を作製した。まず、ワイドギャップ半導体・Si添加FeOを用いて光カソード電極を作製した。この電極上に絶縁性Ga2O3の極薄膜を蒸着することにより鉄の部分酸化を抑制することに成功し、その結果、紫外域において光電流が発生することを確認した。次に、二段階PLD法を用いてSi:Fe2O3光電極を形成し、可視~近赤外域において光電流が発生することを確認した。またこの電極に金微粒子を導入することにより、局在表面プラズモンの効果で光電変換効率が上昇することを見出した。さらに、近赤外応答型V:Fe2O3光電極の作製にも成功し、約11%の光電変換効率を得た。
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