原子間力顕微鏡(AFM)を用いた化学結合力測定による単一原子の元素同定が期待されている。これが実現すると、構成原子・欠陥・ドーパントが重要な役割を果たす触媒や微細化されたトランジスターなど、広い範囲の応用につながる。AFMを使えば、探針先端の1つの原子と表面の1つの原子との間の1対1の原子間力や結合エネルギーを精密に計測できる。今回、1932年にPaulingによって導入された電気陰性度の計測に成功した。それによって、原子が持つイオン性の情報を得ることができる。本研究は量子化学を単原子レベルで検証することにつながり、その知見は単一原子の元素同定などへ応用することができる。
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