研究実績の概要 |
EUV領域(波長13.5 nm)での光学定数測定に向けて環境の整備と測定手法を開発してきた。光学定数を評価するには正確な反射率評価が必要である。正確な反射率測定において重要なことは、高次光除去、偏光制御、散乱成分除去の3つである。最初の2年間は高次光制御機構と、偏光制御機構を開発した。最初に最もニーズの高い特に、フォトレジストの吸収係数は、高性能なレジスト開発には重要なパラメーターとなってきており、正確な測定手法が求められる。本研究ではフォトレジストの吸収係数を透過法と反射法での測定値を比較した。測定は兵庫県立大学の放射光施設ニュースバルに設置された反射率計を用い、試料の用途により重点を置く波長帯域から反射法と透過法を選び、光学定数の精密測定を進めた。 レジストの吸収係数測定には、従来は透過メンブレン上にレジストを塗布する方法が用いられていた。レジスト塗布前後の透過率変化から吸収係数を直接的に測定できる手法である。しかし、吸収係数導出には膜厚も正確に導出する必要があり、均一な塗布と正確な測定が必要である。メンブレンはスピンコートによる塗布でたわみやすく、均一な塗布がとても難しい。特に中心部分の膜厚が厚くなりやすい。そのため、塗布の難しさから吸収係数の測定結果には誤差が生じやすいという問題があった。 そこで我々はレジストを検出器であるフォトダイオードに直接塗布して、透過率を測定する手法を開発した。 フォトダイオードに直接塗布して、透過率を測定する手法を開発した。塗布したPMMAの膜厚は137 nmとなった。透過率の分布0.1%程度で非常に均一な塗布ができた。導出された吸収係数は5.4 μm-1であり、計算値の5.2μm-1と良く一致した。 その他、Si, Mo, Zr, Si3N4, Ta材料の光学定数を反射法で測定した。表面酸化も含めて、評価できた。
|