研究課題/領域番号 |
15H03593
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
曽山 和彦 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 J-PARCセンター, 研究職 (90343912)
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研究分担者 |
林田 洋寿 一般財団法人総合科学研究機構(総合科学研究センター(総合科学研究室)及び中性子科, 中性子科学センター, 副主任研究員 (50444477)
山村 和也 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (60240074)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ウォルターミラー / レプリカミラー / スーパーミラー |
研究実績の概要 |
(1) Wolter型中性子拡大結像光学系の概念設計の実施: Wolterミラー光学系の概念検討を行いパラメータを以下の通り決定した。①中性子顕微鏡拡大率:12.5倍、②臨界波長:3.4Å、③反射鏡: Ni/Ti多層膜スーパーミラー(m=4)、④光学系全長:2074㎜、光学系最大直径:36㎜。Ray Tracing解析の結果、顕微鏡ミラー表面の形状誤差は1μm以下が求められ、標準観察視野1㎜φとした。 (2) Wolterミラー用マンドレル創成技術検討の実施: マイクロ波プラズマジェットを用いた数値制御プラズマCVM装置(NC-PCVM)により、合成石英からなるWolterミラーマンドレルの作製技術検討を実施した。本検討では、プラズマジェット加工において、試料の曲率や傾斜が加工特性に与える影響を真円度・円筒形状測定器を用いて評価した。その結果、①本手法を曲率を持つ試料に適応する場合、曲率方向に対しての加工領域は、曲率が無い場合と比較して大きくなる。②本手法では、体積加工速度は加工物の温度に依存すること等を判明した。これを基にWolterミラー用マンドレルの試作を実施した。 (3) マンドレルによるレプリカミラー製作法の検討: マンドレルに成膜したスーパーミラーに金属基板を電鋳法により形成し、これを離形して自立型Wolterスーパーミラーを製作する手法について、剥離するための離形材の種類、成膜条件について検討を行い、これまでの検討の結果、50μm厚さのニッケルをミラーに電鋳したのち離形することに成功した。 (4) マンドレルへのスーパーミラー成膜法の検討: Wolter型ミラーマンドレルへの多層膜成膜として、イオンビームスパッタ装置の基板回転機構を改造し、回転非球面形状を有する砲弾型マンドレルを回転させながら、これに外周面にスーパーミラーを成膜する機構を完成させ成膜試験を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
レプリカミラー製作法の検討において、Ni/Ti多層膜の加熱試験時に、当初の予想に反し不純物の添加による膜間拡散の抑制効果においてより優れた効果を持つ物質を見出した。研究遂行上、この現象の本質を見極めるため追加試験を実施する必要が生じた。また、離形材について、当初の計画で予定した材料よりも、より適した材料の使用方法を考案した。これらの材料の使用の最適条件を検討するために時間を要した。また、Wolterミラー用マンドレル製作技術の検討において、マイクロメートルオーダーの形状精度を満足するため、NC-PCVMの最適条件を精密に検討する必要が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
マンドレルのマイクロメートルオーダーの精密加工精度を満足する為、NC-PCVMの最適加工条件を精密に検討することを重点的に進める。
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