今後の研究の推進方策 |
本年度は次の方針で研究を進めたい. (1)トポロジー最適化における従来のレベルセット関数の時間発展法には改良すべき点が多いので,より合理的な解法を模索する.その上で,前年度開発したメタマテリアルのトポロジー最適化法をさらに発展させ,横起電力が極値を取るような2周期構造の形状を決定する. (2)当初KIFMM に想を得た周期多重極法を開発する予定であったが,これだけにこだわらず,その後の積分方程式の高速解法の進展に即した有用な手法を開発してゆく方針である.具体的には, Ewald や Kummer の方法を修正して,周期多重極法に必要な格子和を計算する.これらは光起電力問題に加えて,生物の構造色などの応用問題にも適用する.また,これらのツールは昨年度着手した高速直接解法において有用であるので,これを用いてMaxwell 方程式における新しい周期高速直接解法を検討する. (3)最近の研究により,散乱波の特性は無限領域の複素固有振動数と密切に関係していることが分かってきている.一方,昨年の研究で,周期構造の複素固有振動数の計算ができるようになった.これを用いてメタマテリアルの光起電力などの特異な光学的特性を説明できないか検討してみる予定である.
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