研究実績の概要 |
与えられた多様体の単有理性、有理性の判定は極めて困難な問題である。Catanese教授, Verra教授と共同で、4次元のUeno-Camana型多様体と呼ばれる多様体の単有理性を示した。この問題は当該研究主テーマである双有理あるいは双正則な原始的自己写像を許容する有理多様体あるいは単有理多様体の存在に端を発し、3次元での最初の例がTruong氏との共同研究で見出されていた。その4次元版であり、本研究の主テーマの一つである、双正則な原始的自己写像を許容する4次元単有理多様体とその原始的双正則写像の明示的な例が与えられた。
Xun Yu教授と共同で、もっとも基本的な3次元カラビ・ヤウ多様体である、3次元5次カラビ・ヤウ多様体の双正則変換群(双有理変換群と同じ)をすべて決定しその明示的記述を与えた。また、その中で、Gorensteinに作用するものもすべて決定し、やはり明示的に記述した。決定には、カラビ・ヤウ多様体の幾何学とともに、有限群論、その射影線形表現の線形表現への持ち上げとその障害の解析が重要となる。また、現代的アトラスともいえるGapソフトが有効に用いられた。
また、当該研究と密接に関わる国際研究集会を組織委員の一人として企画し遂行した: Arithmetic and Algebraic Geometry 2016 (Jan. 25 --28, 2016, U. Tokyo);Algebraic Geometry in East Asia, 2016 (Jan. 18--22, 2016, U. Tokyo); The 10-th Anniversary Tokyo-Seoul Conference in Mathematics -Algebraic /Arithmetic / Complex Geometry" (Dec. 2--5, 2015, U. Tokyo)
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