研究実績の概要 |
複素力学系において、より低次元の複素力学系に還元できない双有理自己写像である原始的自己双有理写像の存在は基本的な問題である。第1ダイナミカル次数が1より真に大きい原始的双有理自己同型を有する任意次元>2の有理多様体、 カラビ・ヤウ多様体、アーベル多様体の存在を示した。 また、偶数次元では双正則自己同型で実現できることも示した。これらは、 ICM 2014での招待講演において提示し、研究の主テーマとしていた問題に対するほぼ完成した解答を与える。
代数多様体としてアブストラクトには同型だが、母空間である3次元射影多様体のクレモナ変換(3次クレモナ変換)では決して移りあえない滑らかな4次曲面対の存在を示した。また、3次クレモナ変換では移りあうが、3次射影変換では決して移りあえない滑らかな4次曲面対の幾何学的に簡明な例を構成し、Truong, Kollar氏の質問に解答を与えた。
また、当該研究に関連し、以下の国際研究集会を組織委員の一人として企画実行した: "RIMS Workshop on Rationality and self-maps of algebraic varieties" (July 19 --22, 2017, RIMS, Kyoto); "Higher Dimensional Algebraic Geometry, Holomorphic Dynamics and TheirInteractions" (Jan. 3--28, 2017, National University of Singapore, Singapore); "New Trends in Arithmetic and Geometry of Algebraic Surfaces"(March 12--17, 2017, BIRS, Banff, Canada)
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