研究課題/領域番号 |
15H03633
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
原田 昌晃 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (90292408)
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研究分担者 |
宗政 昭弘 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50219862)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 自己双対符号 / 組合せデザイン / 格子 |
研究実績の概要 |
代数的符号理論は、代数的組合せ論とも密接な関係があり、主に誤りの発生する可能性のある通信路の数理モデルにおける符号化の部分に現れる組合せ構造である符号を代数的な立場で研究を行う符号理論のことである。
組合せ構造の研究において、対象とする組合せ構造の分類問題は、基本的でありかつ今後の研究の発展へのステップとなる重要な基本的な課題である。研究実施計画(交付申請書)に書いた通り、昨年度に引き続き、研究代表者がこれまでに行って来た self-dual codeの分類・構成手法の精密化、一般化を図り、有限体上だけに限らず様々なタイプの self-dual code の分類および構成に取り組んだ。特に minimal shadow をもつ binary singly even self-dual code の構成や、大きな長さにおける非存在に関する結果を得た。また、今年度より、近年、暗号理論などへの応用により注目を浴びつつある linear complementary dual code についての研究を本格的にはじめた。低次元における linear complementary dual code の特徴付けを行うことが出来、現在、論文として投稿中である。また、最近、Carlet 達によって mass formula が確立されたことに動機付けされて、mass formula を用いた linear complementary dual code の分類問題についての取り組みを開始している。
また、本研究課題と密接に関係があり、6月に開催された「代数的組合せ論シンポジウム」の講演者の旅費などの開催援助を行うことで代数的符号理論全体の発展に寄与した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究実績の概要の欄で述べた通り、今年度は研究代表者がこれまでに行って来た self-dual codeの分類・構成手法の精密化、一般化を図り、有限体上だけに限らず様々なタイプの self-dual code の分類および構成に取り組んだ。特に minimal shadow をもつ binary singly even self-dual code の構成および非存在に関する結果を得た。
本研究課題において、複数の研究テーマにおいて十分な成果が得られ、すでに多くの結果が論文として出版および投稿されていることだけでなく、当初、研究の対象としていなかった近年、暗号理論などへの応用により注目を浴びつつある linear complementary dual code についての研究に取り掛かり、すでに成果を得て論文として投稿を済ませている。
以上から、新たな代数的符号理論の対象となる符号のクラスに関する研究にも取り組めていることから計画以上に順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は最終年度であることもあり、研究の総括の意味も含めた研究を行いたい。また、これまで通りに順調に研究を遂行するために、これまでに取りかかっている問題について、解決を試みる。特に、今まで、成果が得られていない長さ72の extremal Type II Z4-code の構成に取り組み、何らかの結果を得たい。
新たな代数的符号理論の展開を目指し、昨年度、研究に取り組みはじめた linear complementary dual code だけでなく、新たな研究対象とすべき符号のクラスを見つけることにも挑戦し、self-dual code、unimodular lattice、頂点作用素代数の関連付けを目指す。
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