代数的符号理論は、代数的組合せ論とも密接な関係があり、主に誤りの発生する可能性のある通信路の数理モデルにおける符号化の部分に現れる組合せ構造である符号を代数的な立場で研究を行う符号理論のことである。
組合せ構造の研究において、対象とする組合せ構造の分類問題は、基本的でありかつ今後の研究の発展へのステップとなる重要な課題であると言える。研究実施計画(交付申請書)に書いた通り、昨年度に引き続き、研究代表者がこれまでに行って来た self-dual codeの分類・構成手法の精密化、一般化を図り、self-dual code の分類や構成および optimal unimoduar latticeの構成に取り組み、また、未だ発展途上にあり大きな可能性を秘めている他分野との関連を新たに発掘することで self-dual code を主として研究により、代数的符号理論の総合的な研究を行うことで、代数的符号理論のさらなる発展を目指すことを本研究の目的としている。
この目的達成のために、研究組織のメンバーとの継続的な連携を基盤に、代数的な理論整備の後に、研究対象を計算機上で実現させて結果を得る方法と、計算機による実験結果より代数的な理論構築を行う方法の両軸により、研究を遂行させるだけでなく、最終年度であることから、研究の総括として、代数的符号理論の総合的な研究の今後の課題探索を行い、今後の研究へつなげる研究活動とした。
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