研究課題
これまでの研究で得た知見である,一般的な関数空間における無限次元線形作用素の可逆性の検証と逆作用素の精度保証付きノルム評価方法の更なる拡張・改良に取り組みました.海外共同研究者・研究協力者との意見交換の成果として,2階楕円型線形作用素に対する可逆性と逆作用素ノルムの上界を精度保証付き数値計算で検証する理論・実装方法のさらなる改善が可能であることを具体的な検証例とともに立証することに成功し,学術論文として公開しました。また,得られた基本的なアイデアは,当初の予想通り一般のHilbert空間における線形作用素にも拡張可能であるとの見通しを得ました.その見通しを理論として完成させるため,応用問題から導かれるいくつかの具体的な無限次元関数空間の作用素に対する精度保証付き数値計算に基づく理論構築を試みるとともに,その有効性を模索しました.あわせて,アルゴリズムレベルおよびプログラムレベルにおいて効率化を計る研究を行いました.さらに得られたアイデアを解析学全般に対して飛躍的に発展・展開する可能性も追求すべく,新しい科学研究費への申請を行いました.当該年度においては,これまでの研究により得られた技術を基盤とする非線形偏微分方程式の解の存在と局所一意性を計算機内で自動的に検証する数値的手法を具体的な方程式に対し適用しました.具体的には,流体力学の基礎方程式であるNavier-Stokes方程式に特別な外力項を付与したKolmogorov問題とその対称性破壊分岐点の検証,またNavier-Stokes方程式の安定性を記述する非自己共役固有値問題であるOrr-Sommerfeld方程式,3次元波動方程式などに対する精度保証付き数値計算に取り組みました.さらに,得られた知見を理論・方法にフィードバックすることにより基礎理論の堅牢化を行いました.
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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