研究実績の概要 |
「ひとみ」のマイクロカロリメータSXSは軌道上でエネルギー分解能4.9 eV (FWHM at 5.9 keV)を達成した。立ち上げ時期にペルセウス座銀河団を300 ksec以上観測しており、銀河団の高温プラズマについて新たな制限を与えた。ペルセウス座銀河団のCr, Mn, Niの存在量の正確に決定し、これらの元素の量はほぼ太陽組成に一致することが新たに分かった。ペルセウス座銀河団のガスの運動については、2016年のNature論文では中心付近での乱流の視線速度が約164 km/sであることを報告したが、それをデータ全体に拡張する結果を出した。今年度はその科学成果をPASJ特集号に、またハードウェア関連をJATISの特集号へ論文としてまとめた。石崎は特に、JATIS特集号にSXSの波形処理装置の軌道上性能についてまとめた。 また、「ひとみ」のサイエンスを早期に復活させるためX線天文衛星代替機XARMにはマイクロカロリメータResolveとX線CCD検出器Xtendが搭載される。石崎はResolveの日本側PIとなり、「ひとみ」SXSをベースとしつつ、NASAグループと協力して設計変更の検討を進めた。
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