本研究課題では、大型の電波望遠鏡を駆使して、我々のグループによって銀河系中心領域に発見された「高速度コンパクト雲」の観測研究を強力に推進することにより、同領域に潜む中質量ブラックホールおよび未確認巨大星団の探査を行い、中心核超巨大ブラックホールの形成・進化過程の普遍的描像に迫る事を目的とするものである。3年間の重点的な研究によって、一つの有力な中質量ブラックホール候補天体と、二つの巨大星団候補を発見した。それらに加えて、複数の「見えない」孤立ブラックホール候補天体を、銀河系中心と銀河系円盤部において確認した。これらは、中心核超巨大ブラックホールの形成・成長に寄与する天体群であると考えられる。
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