常伝導高周波加速空洞は、多くの粒子加速器の心臓部であるが、そのブレークダウン(空洞内の大真空放電)発生が加速器の性能を制限しうる。しかし、ブレークダウンを引き起こす仕組みは未だ解明されていない。本研究代表者は、加速空洞の大電力試験中にその内部を直接観察して、ブレークダウンは(安定的に発光していた)空洞内表面上の輝点の爆発、または、(輝点を伴わない)スポット型爆発のいずれかにより引き起こされることを発見した。本研究では、より高性能のカメラを使って直接観察を行い、輝点が1000℃以上の高温異物微粒子であること、及び、スポット型爆発は高温の飛行微粒子が空洞内表面に衝突した結果であることを突き止めた。
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