独自に作製した銅ハライド系マイクロキャビティ(微小共振器)を試料とし、発光分光法を用いて励起子ポラリトン(励起子-光子混成状態)凝縮に関する研究を行った。CuBrマイクロキャビティにおいて、10~140Kの温度領域でポラリトン凝縮を実現し、離調度(励起子とキャビティ光子のエネルギー差)によって凝縮閾値励起強度を制御できることを検証した。さらに、ポラリトン凝縮体の分散関係が、非平衡凝縮特有の非分散性(拡散性ゴールドストーンモード)を示すことを定量的に明らかにした。また、発光ダイナミクスでは、ポラリトン凝縮によって発光の立ち上がり時間と減衰時間が劇的に短くなること(ボソン終状態誘導)を見出した。
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