研究課題
当初研究計画に従い、PrTi2Al20およびPrV2Al20における磁場効果およびPrPb3、TaX2(x=S,Se)の圧力効果の測定を行った。PrTi2Al20およびPrV2Al20においては、各圧力下での磁場相図を、PrPb3およびTaX2(x=S,Se)においては圧力磁場相図をそれぞれ完成させた。特にTaX2では、圧力誘起の超伝導が出現する事を明らかにし、広い圧力範囲で超伝導相が存在する事およびその転移温度が、これまで発見された同種の物質中最高である事を見出した。圧力誘起超伝導を示す、新たなCe化合物を発見し、電気抵抗の圧力依存性からその圧力相図を作成した。装置整備としては、希釈冷凍機用ボトムロード試料交換装置を発注し無事導入された。上記圧力誘起超伝導物質の物性研究と関連し、希釈冷凍機温度での高圧下交流帯磁率および交流比熱測定が比較的ルーチンで測定出来るように整備する事が出来、ノウハウの蓄積が行われた。また、これまで良く理解されていなかった、FeSeにおける高圧下で出現する新たな相の起源を明らかにする目的で、当初計画していなかったが、FeSeの電気抵抗の磁場依存性およびホール効果の測定を各圧力下で行った。その結果、これまで超伝導相と思われていた圧力誘起相が、磁気秩序相である事を明らかにし、全体を俯瞰出来る圧力相図を完成した。この結果は、良い静水圧力を発生出来るCubicアンビル圧力装置を用いる事によって得られた成果である。
1: 当初の計画以上に進展している
当初計画が計画通り研究できたことに加え、FeSeの圧力効果の研究に大きな進展があった。成果は適宜内外の会議で発表すると共に、学術誌で発表した。
当初計画通り進めると共に、ボトムロード試料交換装置の整備を行い、測定の効率化をはかる。また、新たな新奇物性探索を行う。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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