BiS2系超伝導体の超伝導機構の解明を目指し、複数のモードの光電子分光を有機的に用いてREO1-xFxBiS2 (RE=Rare Earth)を中心として電子状態を実験的に研究した。真空紫外線ARPES によりLaO1-xFxBiS2(x=0.23,0.5)のフェルミ面とバンド構造を観測し超伝導転移温度とフェルミ準位上の状態密度との相関を示すとともに、超伝導と磁性の共存が報告されているCeO1-xFxBiS2では、軟X線3d-4f共鳴光電子分光からCe4f電子が局在状態にあり伝導特性に主要な役割を果たしていないことを示すなど、本物質系の超伝導機構を理解するための基本的な電子構造の情報を得た。
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