複合材料の微小破壊や地震の統計性においてはグーテンベルク・リヒター(GR)則と大森則が普遍的に成立するが、GR則のb値と大森則のc値は材料や断層の物理的状態、とくに応力状態を反映すると考えられている。我々はこの仮説に注目し、それを具体的に二つの系で検証した。 剪断される粉体系では、b値とc値ともに応力に対し負の依存性を示し、c値に関しては指数関数依存性を持つことを発見した。 岩石を模擬したファイバーバンドルモデルにおいては大森則のみならず逆大森則の成立も確認し、その原因がサドルノード分岐であることを発見した。ここでのc値は応力よりはむしろ系の不均一性に依存することが分かった。
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