研究課題
東北日本弧の長期変形過程を明らかにするために、アパタイトの (U,Th)/He年代測定とフィッション・トラック(FT)分析を行い、母岩の隆起-侵食-冷却過程を定量的に復元することを進めた。最終年度では、福島-新潟測線において、これまでに得られた(U,Th)/He法とFT法による 熱年代プロファイルの変化する地点近傍(特に、脊梁山脈付近から西側)の追加試料採取をさらに行い、下記の(2)~(5)の分析を行った。また、より北側の測線(岩手-秋田測線)においても、(U,Th)/He法による一次データが得られたので、まずFT法による 熱年代プロファイルを求めた。さらに、熱年代プロファイルの変化する地点近傍での追加試料採取を行い、下記の(2)~(5)の分析を行った。さらに背弧側に補足的な測線を設置して下記の(1)~(5)の分析を行った。これらにより、測線間での比較検討を通じて、プロファイル変化の要因をある程度確定することができた。(1)現地フィールド調査と試料採取:測線にそって岩石試料を約20個採取した。白亜紀の花崗岩類を中心に、第四紀火山などの2次的熱源を避け、ほぼ等間隔になるように試料を採取した。(2)鉱物分離:岩石試料からアパタイトとジルコンを精選分離した。(3)FT分析とU-Pb年代測定(4)(U-Th)/He年代測定(5)熱史のインバージョン解析・熱年代プロファイルの作成:FT分析済み試料について、トラック長分布とFT年代を用いたインバージョンを行い、試料ごとに詳細な熱史を復元し比較した。これにより、各試料の冷却イベント開始の時期と温度(深度)を推定できた。得られた3種類の熱年代(アパタイトHe~70℃; アパタイトFT~100℃; ジルコンHe~180℃)を測線上にプロットし、広域的な熱年代プロファイルを作成した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
Earth, Planets and Space
巻: 69 ページ: 1-18
10.1186/s40623-017-0661-z
Journal of Geophysical Research - Solid Earth
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10.1002/2017JB014320