研究課題
モンゴル・ザブハン地塊には,エディアカラ系から下部カンブリア系が連続的に累重している.本年度の研究実績の概要は次の通りである.1.モンゴル・ザブハン地塊(とくにBayan Gol地域)に分布するエディアカラ系から下部カンブリア系の岩相層序を確立した.2.化石(Treptichnus pedum)の初産出層準,生痕化石や微小骨格化石群(SSFs)の産出状況,岩相変化なども考慮し,エディアカラ系/カンブリア系の境界を策定した.3.石灰質微生物類と微小骨格化石群の初産出層準をそれぞれ明らかにした.その上で,ストロマトライトやスロンボライトで代表される微生物岩,ならびに微生物類礁の特性(規模,構成要素,組織,構造,遷移様式など)を明らかにした.4.「生体鉱化作用の開始」を手がかりに,「純粋な微生物類礁」から,「微生物類優勢礁(古杯類-石灰微生物類礁)」への移行様式に関する基礎的なデータを獲得した.5.本成果の一部は,日本地質学会第123年学術大会(日本大学)の場で発表した.
2: おおむね順調に進展している
モンゴル・ザブハン地塊(とくにBayan Gol地域)に分布するエディアカラ系から下部カンブリア系の岩相層序を確立することができた.エディアカラ系/カンブリア系境界前後での,微生物岩(ストロマトライトなど)の消長様式,微生物類礁の特性,微小骨格化石群の出現層準を明らかにすることができたため.
モンゴル・ザブハン地塊(とくにTsagaan Gol地域など)でのエディアカラ系/カンブリア系境界を特定し,原生累代と顕生累代の境界で生じた,地球生物相の変遷やその背後要因を総合的に解明する予定である.「礁の構築様式」と「生物多様性」の時代的な変遷様式や相互関連性を調べていく必要がある.
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecology
巻: 475 ページ: 55-69
org/10.1016/j.palaeo.2017.01.030
巻: 474 ページ: 45-57
org/10.1016/j.palaeo.2016.07.009
Scientific Reports
巻: 7 ページ: 1-10
10.1038/srep41762
化石
巻: 100号 ページ: 21-27
http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/geos/geo6/ezaki/index.html