研究課題
セール・ロンダーネ山地の地質は1500 Ma以降に活動的大陸縁辺部で成長した北東地塊と,1000 Ma以降の未成熟な海洋島弧として成長した南西地塊に区分される.両地塊は約640-620 Maに接合した.そして,南西地塊と北東地塊が接合した後に活動したマグマは大陸的要素の強い組成的特徴を持つ.こうした結果を受けて, 海洋島弧から大陸的へマグマ組成が変化した原因は何か,またそのような現象は衝突帯の内部にどこでも起こるのか,について検討した.1.南西地塊から新たに2試料の火成岩起源の変成岩と北東地塊との接合後に活動した火成岩2試料のジルコンウラン-鉛年代とそれらの全岩同位体組成を測定した.これまでの研究成果と新たなデータから,南西地塊の火成活動は1000 Maから520 Maの間に3回のステージが認識される.1000~900 Ma(ステージ1), 800~670 Ma(ステージ2), 640~520 Ma(ステージ3)である.そしてステージ1と2の岩石はいずれも未成熟な組成的特徴を持つのに対し,ステージ3の火成岩は時代が若くなると共により大陸的な組成を示す.こうした組成の変化は,より大陸要素に富む北東地塊がマグマの形成に関与したことを示唆する.2.広域的に見ると,ステージ3に相当する火成岩類には,以下の特徴がある.セール・ロンダーネ山地の東部300 kmに位置し,太古代~原生代のレイナー地塊近傍に産する大和山脈の火成岩類は,より大陸的要素が強い.従って,衝突帯の火成活動は,明らかに大陸地殻とマントルの間で物質が循環し,相互作用の範囲は水平距離で数100kmに及ぶと考えらえる.
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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