本年度、放射光実験の解析ソフトウェアを開発した。webベースのデータベースで実行可能なコマンドラインプログラムとして開発しており、適切なパラメータをwebから入力する事で、データベースシステムのサーバ上で、端末プログラムを使わずに、webブラウザからの画像処理プログラムの実行が可能になった。ソフトウェアの実行インターフェースはやや原始的で、またデータベースサーバが画像処理という、重たい処理を行うなど、いくつかの仕様については問題もあり、今後改修が必要である。しかし、データベースでデータを検索し、そのまま画像解析を実行し、必要な情報を抽出するという、一連の流れはこれで完成した。さらに、X線回折CT、および軽元素に強い位相コントラストCT、さらにマルチスケールCTのデータを組み合わせ、再解析を行うプロ部ラムを開発した。これにより、これまで手動で行っていたこれらの統合解析を、半自動で行う事が可能になり、極めて簡便に試料の詳細な情報を得ることが可能になった。また、合計100以上の炭素質コンドライト、及び南極宇宙塵を分析し、その結果をデータベースに入力した。 サンプルホルダにも改良をくわえ、ポリイミドフィルムを使用した大気遮断ホルダを作成し、グローブボックス内でのシール、及び分析を行った。この結果、試料の分析には十分名精度が出せることを確認したが、大気遮断性能が足りず、一部の試料で大気中の水による汚染が確認された。これらはfuture workとして、改良する。 学術雑誌への投稿論文の作成を行い、現在複数の論文を投稿、あるいは作成中である。これらは、査読のプロセスにもよるが、年度内には報告がなされる予定である。
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