研究課題
本研究では、地球惑星システムを探る上で重要な、地球・惑星の地質試料に含まれる微量成分を迅速かつ高感度に計測できる次世代のレーザー同位体分光システムを開発するこことを目的とした。具体的には、最先端の中赤外半導体レーザーと光通信分野で活用されている光伝達・増幅・波長選択の機能をもつ「光ファイバデバイス」を融合するという斬新なアイデアで、微量サンプル中からの同位体分子種の高感度検出法の構築を目指した。最終年度である本年度は、まず、中赤外分光用の光源である「4.3um帯量子カスケードレーザ」と「中赤外高感度検出器」「レーザードライバ」を使用し、発信・受信可能に準備した。その上で、中赤外分光用に製作した光ファイバ関連のデバイスである「中赤外ファイバ(シングルモード・マルチモード)」「小型セル」「中赤外ファイバコリメータ」を実装した。特に、光ファイバ接続部の光損失を最小限に抑えるための中赤外域のコーティングが可能な業者がようやく見つかり、実装に間に合った。中赤外ファイバを介したレーザーの発信・受信試験の結果、小型セルを介すとシグナルにフリンジが大きくなることが判明した。しかし、中赤外光ファイバ自体は良好な受信結果が得られことから、従来型の光学レンズを用いた分光系によらない、ファイバシステムの構築が十分に可能であることが明らかとなり、本研究目的である「中赤外レーザー・ファイバシステム」のプロトタイプを構築することができた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Analytical Chemistry
巻: 89 ページ: 4409-4412
10.1021/acs.analchem.7b00544
巻: 89 ページ: 11846-11852
10.1021/acs.analchem.7b03582