研究課題
連続レーザー光は,光通信やレーザーディスプレイなどで広範囲に利用されている.近年,高出力化に伴い,光ファイバーや非線形光学結晶などの固体(誘電体)内部における光絶縁破壊が顕在化し,通信の大容量化や装置の高出力化・小型化の障害となっている.本研究の目的は,光絶縁破壊がトリガーとなり,誘電体内部を発光しながら破壊が伝播する状態を固体内部におけるレーザーアブレーションによって発生したプラズマと見なし,その発生および維持・伝播機構を理解することである.このアブレーションは高出力連続レーザー光が創る誘電体の励起状態からプラズマ状態への遷移によって生じると考え,その状態間の遷移機構を解明する.本研究では,前述した目的を達成するために,高平均出力連続光が誘電体を透過する状況下で,アブレーションによって誘電体がプラズマに遷移する過程を記述するモデルを構築する.構築したモデルによって現象に潜む普遍性を解明する.本年度は,高平均出力連続光レーザーを用いたタンタル酸リチウム結晶の光学吸収で発生する熱による温度上昇を測定し,傾き合成法によって吸収係数のレーザーパワー依存性を求めた.この結果より,線形吸収および非線形吸収係数を決定した.本研究で提案したいる誘電体に対する価電子帯と伝導帯間遷移による電子,ホールおよび励起状態の生成・消滅を取り扱う詳細なKineticモデルから予想される吸収のレーザーパワー依存性と比較を行うことにより,ポーラロンによる吸収の評価を行った.
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件)
Proc. SPIE 10447, Laser-Induced Damage in Optical Materials 2017
巻: 10447 ページ: 104471Z-1,5
10.1117/12.2279957