ペロブスカイトの単一粒子発光観測を行い、太陽電池特性に大きく影響する電荷キャリアダイナミクスの機構を明らかにした。まず、CH3NH3PbBr3ナノ粒子について、サイズ減少による発光ピークの短波長シフトを確認し、量子閉じ込め効果が発現することを示した。次に、多色化への応用が期待されるハロゲン交換反応のその場観測を行った。発光スペクトルおよび寿命測定から、交換初期の混合型ペロブスカイトでは、電子が熱平衡となっているのに対し、正孔は表面のヨウ素リッチ領域に捕捉されることがわかった。また、組成がCH3NH3PbI2Brの過渡種が生成し、その寿命はハロゲン欠陥との反応によって決定されることが示唆された。
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