我々は不斉閉環メタセシスを活用した速度論的分割による面不斉アレーンクロム錯体の触媒的不斉合成を報告している。これを対応するCpマンガン錯体で行うことで、これまでに例のない面不斉を有するCpマンガン錯体の触媒的不斉合成が可能になるのではな いかと考えて検討を行った。その結果、キラルなモリブデン触媒を用いた場合に、非常に高いエナンチオ選択性で対応する環化体の面不斉Cpマンガン錯体を合成 することに成功した。また、上記の面不斉クロム錯体で行った際と同様に、得られた生成物を活用して、面不斉ホスフィン化合物へと変換することにも成功し た。
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