研究課題
本研究では、高周期14族元素-酸素二重結合化学種を創製し、小分子の活性化などの反応性の開拓を通して、典型元素化合物に関する先駆的な研究成果を格段に発展させることを目的とする。独自に開発した嵩高い「縮環型立体保護基(Rind基)」を駆使することで、シラノンやゲルマノン、スタンナノンなどの新しい典型元素不飽和化学種を合成する。それらの分子構造や化学結合について解明するとともに、高度に分極した結合電子に由来する特異な反応性を探究することを目標とする。平成29年度は、種々のRind基(EMind基、Eind基、MPind基)を有するゲルマニウム二価化学種「ジアリールゲルミレン」を系統的に合成し、それらの分子構造をX線結晶構造解析により決定するとともに、電子構造を分光学的手法と理論計算により明らかにした。また、ジアリールゲルミレンとジクロロゲルミレン・ジオキサン錯体との配位子再分配反応を調査し、種々の「ジハロジゲルメン」を合成して結晶構造を解明するとともに、溶液中においてGe=Ge二重結合が解離した「ハロゲルミレン」として存在することを各種分光法により突き止めた。また、ハロゲルミレンとアルカリ金属塩との反応により「ゲルミレノイド」が生成することを見いだし、その分子構造を明らかにした。また平成29年度は、嵩高いEind基によって安定化されたゲルマニウム-酸素二重結合化学種である「ゲルマノン」の電子密度分布解析を行い、高度に分極したパイ結合と特異な水素結合の存在について明らかにするとともに、熱反応について調査した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)
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