化学結合の形成は有機合成における基本的な反応であるにも関わらず、未だ解決すべき課題が多い。多くの場合は結合を直接的に形成することは困難であり、基質の反応部位を予め各々酸化または還元することにより官能基を導入して活性化する必要がある。基質に含まれる他の官能基の保護および結合形成反応後の脱保護、そして酸化剤や還元剤の使用に伴う廃棄物が生じるので原子効率が悪い。さらに複数の反応による多段階工程が必要であるなど作業効率も良くない。本課題研究では、現代社会に求められている低環境負荷・高効率な炭素―炭素結合や炭素―ヘテロ原子結合の構築法の開発を実施した。
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