研究課題
本研究では、研究代表者が考案した「局在性リガンド」の方法論を発展させ、生細胞内のタンパク質の局在を小分子化合物によって自在に制御するための新基盤技術・化合物体系を創出することを目的とした。本年度は主に以下の成果を上げることができた。1)前年度までに開発したeDHFRとSNAP-tagの細胞膜移行誘導システムを併用することで、生細胞の2つの異なるシグナル経路をそれぞれ独立に制御できることを実証した。これにより、細胞内の2つの異なるシグナル経路間のクロストークやフィードバックを解析する新しい研究ツールを創出することができた。2)eDHFR用の局在性リガンドであるmgcTMPを用いた場合、mgcTMPの添加によって細胞膜に移行したeDHFRがその後再度、細胞質に自発的に戻る現象を前年度見出した。詳細な解析の結果、この現象は、リガンドmgcTMPが細胞内で分解されることに由来することを明らかにし、その切断酵素(プロテアーゼ)の同定に成功した。さらにその知見を元に、細胞内分解を受けない新しい局在性リガンドを開発することにも成功し、それを用いることで長時間安定に局在移行を誘導できるシステムを構築することができた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (27件) (うち国際学会 8件、 招待講演 4件)
生命化学研究レター
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