本研究では界面活性剤や乳化安定剤といった化学的な分散剤を一切用いることなく、周波数の異なる超音波を逐次的に照射するだけで、透明でしかも安定なナノエマルション作製を可能にする新技術「タンデム式超音波乳化法」の開発を目的とする。また、得られた各種ナノエマルションを材料合成のテンプレートへと展開し、機能性材料の創製に繋げる。さらに該技術を基盤としたナノエマルション溶液の連続的な生産システムを構築し、実用化に向けた応用提案を行うことを最終目標に掲げている。 タンデム式超音波乳化法の実用化に向けた応用提案を行う上で、連続的な生産システムを構築することは必要不可欠である。そこで本課題の最終年度にあたる本年度の研究では分散剤フリーなナノエマルション溶液の連続的生産システムを開発し、実用化に向けた応用提案を行うことを目指した。 タンデム式超音波乳化において、種々の周波数の超音波による各乳化工程はいずれも数分程度で完結するので、乳化処理後の乳化液をフロー法によって輸送する連続的生産システムを構築した。その上で処理容量・処理速度の検討を重点的に実施し、最適条件を導出することに成功した。
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