強力な温室効果気体である亜酸化窒素の超高感度センシング技術として、半導体レーザーを用いた新しいシステムを開発した。亜酸化窒素の大気中のバックグラウンド濃度は320 ppb程度しか存在しないため、その実時間検出には長光路レーザー吸収分光法を採用した。アラン分散解析から、大気濃度レベルの亜酸化窒素を高精度で計測できることを確認した。さらに、このレーザー分光システムと閉鎖循環型チャンバーを組み合わせた新しいシステムを用いることにより、暖温帯ヒノキ林の林床からの亜酸化窒素放出速度を測定した。その結果、有意な放出は検出されず、土壌中での脱窒反応の効率が低いことが示唆された。
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