色素増感太陽電池は、次世代の太陽電池として期待を集めるクリーンエネルギーデバイスである。本研究では、金属酸化物との強固な結合形成能を有するアルコキシシラン色素の増感色素としての可能性に着目して、分子軌道計算による分子設計に基づき新規アルコキシシリルクマリン色素を開発し、色素増感太陽電池において世界最高となる1.45 Vの光起電圧を発生するセルの作製に成功した。さらに、二酸化チタン電極にアルコキシシリルカルバゾール色素とトリフェニルアミン系カルボン酸色素を共吸着させたセルにおいて、協調的光増感作用が発現することを見出し、14%を超える光電変換効率を達成した。
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