ゲルは高分子鎖が三次元的に架橋した溶媒を含んだネットワーク構造をとっているが、そのネットワーク構造は不均一であり、架橋点の分布や鎖セグメント濃度には粗密が存在していることが知られている。本研究は、超解像蛍光イメージングに基づく手法を高分子ゲルの計測に新たに導入し、ゲルに内在する網目鎖構造と力学特性の不均一性について実空間で直接評価する方法論を確立し、ゲルの不均一性について明らかにすることを目的としている。単一分子局在化顕微鏡によるナノ光学イメージングとマイクロレオロジー法を用いることで、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)ゲル中に存在するネットワーク鎖の構造と局所粘弾性の定量解析に成功した。
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