本研究では、アルカリ金属塩と溶媒から構成される溶融した錯体(溶媒和イオン液体)を電解質として用い、これらの錯体の特異な電気化学反応関して基礎的な研究を行った。電解液中におけるイオンと溶媒の相互作用について、分光学的な手法や計算化学の手法により解析を進め、これらが電極/電解液界面における電気化学反応に及ぼす影響を解析した。その結果、塩濃度が3 mol/Lを超えるような溶媒和イオン液体では、ほぼ全ての溶媒分子は金属イオンの溶媒和に参加しており、フリーな溶媒はほとんど存在せず、その結果、溶媒活量は極めて小さくなり、これが電気化学反応過程に大きな影響を及ぼすことが明らかとなった。
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