有機薄膜太陽電池のさらなる高性能化を実現するためには、動作メカニズムの解明、特にキャリアの輸送過程を明らかにすることが重要である。本研究課題ではそのために必要となる、実デバイスにおけるキャリア移動度をはじめとする各種物理量を評価する実験手法を構築した。一例をあげると、有機薄膜太陽電池に逆バイアスを加えて光誘導吸収測定を行えば選択的に正孔移動度が決定できることを明らかにし、さらに変調光電流測定と組み合わせれば、電子と正孔の両方の移動度が決定できることも見出した。本研究課題ではこれらの実験手法の構築と同時進行で様々な有機薄膜太陽電池の試作も行い、それらの輸送過程についても調べた。
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