生活環境で生み出される極低温度差からの発電を実現するため、異種金属薄板、および細線系の伝熱問題を取り扱い、当該構造体内部の温度分布を能動的に制御可能にした。作製した極微小熱電素子やマイクロスケール電位差法を活用して金属細線の熱電特性を測定すると共に、この知見を活用して薄板型熱発電機を設計し、その性能を予測した。実際に試作した薄板型熱発電機の性能を評価したところ、低温度差から十分な発電が可能であり、40Kなる低温度差においておよそ0.3uWの出力を得た。さらに異種金属界面の酸化や積層により高出力化が可能であることを示し、実現した熱発電機により各種センサを安定的に駆動できる見通しを得た。
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