研究課題/領域番号 |
15H03901
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
柴田 隆行 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10235575)
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研究分担者 |
沼野 利佳 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30462716)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 細胞機能発現制御 / 細胞処理システム / 細胞内デリバリー / バイオMEMS |
研究実績の概要 |
本研究では,高度先進医療技術・革新的医薬品開発における次世代産業化のイノベーション創出を支援するキーテクノロジーとして,MEMS 技術によって作製した中空構造を有するSiO2 製ナノニードルアレイを細胞操作・計測用プローブとして利用した細胞機能発現制御技術の開発を目的として実施した.平成27年度に得られた主な成果は以下のとおりである. (1)Siウエハ両面からのSi深堀エッチング(DRIE)と熱酸化を組み合わせて,中空構造を有する段付きナノニードルアレイ(先端外径1μm程度,10×10アレイ)の作製プロセスを確立した.(2)複雑な3次元構造を有するSiモールドを鋳型にしたプロセスによって,自動調心機能付き細胞配列チャンバアレイ(PDMS製,10×10)の作製を行い,誘電泳動力によって細胞の捕獲が可能であることを実証した.(3)電場駆動力を利用した細胞内デリバリー技術において,従来の交流電圧と比較して,矩形波電圧を印加した場合の方が,導入効率の改善が図れることを,蛍光DNAの吐出実験および数値解析シミュレーションの結果から明らかにした.(4)倒立顕微鏡に組込み可能な顕微ラマン分光装置を作製し,Agナノ粒子のラマン増強効果によって,ローダミン6Gの高感度ラマン分光スペクトルの取得が可能であることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本提案技術の最もユニークな電場駆動力を利用した超並列・高精度な遺伝子導入技術(細胞内デリバリー)の実現に必須となる中空構造を有する段付きナノニードルの作製プロセスを確立した.また,矩形波電圧を印加した場合の方が,高効率な遺伝子導入が行える可能性を見出した.さらに,細胞内の生体分子のダイナミクス観察を可能とする細胞内表面増強ラマン散乱(SERS)イメージング(細胞機能発現可視化技術)を実現するために,倒立顕微鏡組込み型の顕微ラマン分光装置を開発し,Agナノ粒子の表面増強ラマン散乱効果と組み合わせることで,極微量の分子の高感度ラマン分光が行える性能を有していることを実証することができた.
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今後の研究の推進方策 |
おおむね当初の計画通りに実施するとともに, 前年度に確立したプロセスによって,中空構造を有する段付きナノニードルアレイ(先端外径1μm程度,10×10アレイ)を作製し,電場駆動力を利用した手法によって蛍光DNAの吐出実験を行い,その基本性能の評価する.また,自動調心機能付き細胞配列チャンバアレイ(10×10)への細胞捕獲効率の向上を図るために,誘電泳動力に加え,揺動振動を援用する手法を検討する.さらに,緑色蛍光タンパク質(GFP)発現プラスミドをHeLa 細胞に導入し,遺伝子発現効率および生存率を調査する.加えて,基礎実験として,Ag ナノ粒子を固定化したガラスピペットをHeLa 細胞に穿刺し,ラマン分光スペクトルの時系列変化を調査し,細胞内分子イメージング手法としての基礎的検討を行う.
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