| 研究課題/領域番号 |
15H03905
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| 研究機関 | 金沢工業大学 |
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研究代表者 |
森本 喜隆 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00290734)
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| 研究分担者 |
浅川 直紀 金沢大学, 機械工学系, 教授 (50231874)
高杉 敬吾 金沢大学, 機械工学系, 助教 (80710235)
加藤 秀治 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90278101)
林 晃生 金沢工業大学, 基礎教育部, 講師 (50734430)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 旋削加工 / CNC旋盤 / リニアモータ駆動 / 駆動形ロータリ工具 / 焼入れ鋼 / 振動制御 |
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| 研究実績の概要 |
研究代表者は“非軸対称三次元曲面の旋削加工方法”（Non-axisymmetric Curved Surface Turning, NACS-Turning）を考案した．この手法は特に凸面を持つ回転部品に有効である．代表的適用例として，軽自動車，二輪車用ガソリンエンジンの技術革新と成り得る三次元カム(3Dカム)が挙げられる．この種の部品にとって加工方法の確立が最大の課題である．これを解決するべく平成23~25年度基盤研究(C)“三次元曲面の旋削加工”に挑戦し，3Dカム形状の旋削加工に成功した．そこでこの手法を発展させ，駆動型ロータリ工具と主軸の回転位置の同期，主軸正転・逆転の二工程に分割する新加工手法の採用とタンデムテーブルを用いた慣性力抑制，加工面の機上測定による指令値の補償機能を持つ“新しい非軸対称三次元曲面旋削加工システムの完成”を目的とする．
今年度は，リニアモータ駆動CNC旋盤を改良し，駆動形ロータリエ具台の設計が終了した．CNC旋盤のX1軸，X2軸の二軸，Ｚ軸，Ｃ軸と，ロークリエ具を回転させるサーボモータの同期と併せて5軸同期制御が可能であることを確認した．
また，3次元曲面加工後に，ラインレーザ変位計のアライメント調整後，3次元曲面を測定するることに成功した.
さらに，加工中に加速度が増大する箇所と減少する箇所で主軸を逆回転させて加工し，加速度を低減させることで課題を解決し，その加工後の形状精度について検証を行った.
最後にフロリダ大学山口准教授の協力の下，機上ポリッシング装置を試作し，研磨効果の検証を行った．この結果，当初の予想通り，表面粗さ0.1μmRaを得た．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.タンデムテーブル型5軸同期制御の実現： 本年度はCNC旋盤の改良に着手した．駆動形ロータリエ具台の設計が修了した．CNC旋盤のX軸スライドにタンデムテーブルX1軸，X2軸の二軸を搭載した．また，Ｚ軸，Ｃ軸まで4軸同期制御を実現したが，現在は，ロークリエ具を回転させるサーボモータの同期と併せて5軸同期制御が可能であることを確認した．
2.機上計測システムの開発: 3次元曲面加工後に，機上にて形状を測定するための基礎的な手法を確立した．これは，円筒形状工作物をマスターとして，ラインレーザ変位計のアライメント調整を行った後，3次元曲面を測定するもので，計測高さをオフセットした状態でも計測可能であることを検証した.
3，正・逆回転加工による加速度低減手法の検証: 3次元曲面をNACS-Turningにより加工する場合の課題として，加速度が増大する箇所と減少する箇所が存在することが明らかとなっている．そこで，加速度が増大する箇所は主軸を逆回転させて加工し，加速度を低減させることで課題を解決し，その加工後の形状精度について検証を行っている.
4.機上ポリッシッグの実現と研磨効果の検証：フロリダ大学山口准教授の協力の下，機上ポリッシング装置を試作し，研磨効果の検証を行った．この結果，当初の予想通り，表面粗さ0.1μmRaを得た．
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| 今後の研究の推進方策 |
今年度は研究の最終年度であるため，以下の項目について総合的に研究のまとめをおこなう．
１． 加工実験による補正指令値算出手法の検証
円形断面工作物と３次元曲面工作物をそれぞれ加工し，CAMシステム，機上計測システムの有効性を検討する．このとき，工作物の最終評価には，高精度三次元測定機を使用し，機上計測システムの測定結果と比較検証する．これは研究グループ全員で行う．
２． 主軸正転・逆転による加工特性の評価
各システムの機能が正常に動作することを確認したので，実際の非円形三次元曲面の加工に着手する．このとき，主軸正転・逆転によるNACS-Turningを行い，工作物形状評価，生産性の検討，工具寿命や加工特性について評価する．これは研究グループ全員で行う．
３． NACS-Turningシステムの実用化部品および種々の三次元形状工作物への適用と検証を行い，研究全体のまとめを行う．
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