研究課題/領域番号 |
15H03913
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石本 淳 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (10282005)
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研究分担者 |
堀邊 英夫 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (00372243)
松浦 一雄 愛媛大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (20423577)
真田 俊之 静岡大学, 大学院総合科学技術研究科, 准教授 (50403978)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 混相流 / 極低温 / 微粒化 / ナノ洗浄 / 噴霧 / 半導体洗浄 / 超高熱流束 / 冷却 |
研究実績の概要 |
本年度は,極低温微細固体窒素粒子生成システムの高圧・高速化を実施した. 現在,現有設備による微細固体窒素粒子の生成に際しては2.0atm から3.0atm 程度のタンク加圧方式により行っているが,粒子数密度が小さく高付着性不純物とナノ粒子に対しては洗浄効果が小さいという難点を有している.そこで,粒子数密度を増大させるためには噴霧流量を増大させる必要があるが,このためには過冷却液体窒素LN2極低温気体窒素GN2二相流をラバルノズル内で超音速領域まで加速流動させ断熱膨張効率を向上させる必要がある.数100m/s を超える極低温固体粒子噴霧流速の高速化を図るため,噴射圧力の高圧化が可能となる高圧法規対応の過冷却液体窒素と極低温気体窒素の高圧容器を新たに設計製作した.本システムにより生成される極低温固体粒子超音速噴霧に対しPIA-PTV 融合粒子計測を行うことにより,固体窒素噴霧高速化に要する諸流動条件の検討を実施した. 続いて,極低温固体窒素粒子噴霧洗浄法の活用による半導体ウエハレジスト除去量のSEM による評価,不純物除去特性に及ぼすレジスト化学組成の影響,ウエハ表面検査装置(パーティクルカウンター) を用いた洗浄性能の評価,Poly-Si配線ダメ-ジの評価と洗浄性能予測に関する計測データベース融合解析を実施した.なお,レジスト洗浄性能評価に関しては現有装置であるエネルギー分散型X 線分析装置ならびに走査型蛍光X 線分析装置を使用した. その結果,本方式による洗浄法は特にノボラック系レジストに対して効果的であることが判明し,レジストはく離特性に対して効果的となる噴霧流動条件の解明を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
極低温固体窒素粒子を用いた環境調和型洗浄法の開発に必要となる,極低温固体粒子噴霧の衝突流動特性の計測と噴霧洗浄特性に関するXPS, ToF-SIMS分析と計測融合型シミュレーションによる総合的検討を実施した.
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今後の研究の推進方策 |
高密度水素エネルギー貯蔵に貢献する極低温微細固体粒子噴霧流動特性に関する混相流体力学的・熱力学的特性に関する基礎データを取得する.特に,噴霧のウエハ表面衝突時における噴霧角,初期速度がレジストはく離特性におよぼる影響に関して検討を加える.
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