血管表面の内皮細胞の損傷は、動脈硬化や動脈瘤などの血管病変の発症の引き金になることが指摘されているが、その機序は未だ十分に理解されていない。本研究は、超音波計測と数値計算の融合解析手法を用いて、内皮細胞を培養した実験流路内に血管疾患の好発部位である頸動脈の血管壁近傍流れ場と圧力場を再現し、内皮細胞の損傷実験と超音波計測融合血流解析を行って、これまで未知であった生体内の血流場が内皮細胞損傷に与える影響を解明するための研究を行って、多くの知見を得た。本研究で得られた成果は、血管疾患の発症に対する内皮細胞近傍場の流体力学的寄与の正確な理解に基づく診断法の確立に貢献するものである。
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