研究課題
本研究では、粘弾性流体の最大抵抗低減領域(MDR領域)における抵抗低減メカニズムを解明するために、界面活性剤水溶液を注入した乱流境界層流れにおける実験、ならびに実験に対応した直接数値シミュレーション(DNS)を実施する。MDR領域では、抵抗低減率が60%を超え、壁面に平行な大規模なシート状構造が形成される。この大規模なシート状構造の全体像を捉えるために、平成27年度においては、実験では3台のカメラによるマルチカメラPIV計測手法を構築し、DNSではコサイン変換法に基づく高速計算手法を構築した。実験においては、従来の撮影範囲を3倍に広げることで、シート状構造の上方に大規模な乱流渦構造が形成されることを見出した。また、DNSでは高速化手法の導入により、従来よりも高解像度かつ流れ方向に領域を広げたDNSが実施可能となった。
2: おおむね順調に進展している
当初予定した通り、3台のCCDカメラを用いたマルチカメラPIV計測システムを構築し、計測を実施することができた。また、抵抗低減メカニズムの解明を目指した直接数値シミュレーション(DNS)において、コサイン変換を用いた高速化手法の導入が完了した。
新たに構築したマルチカメラPIV計測システムを用いて、MDR領域におけるシード状構造の解明を試みる。また、新たに構築したDNSコードを用いて、従来よりも大規模なDNSを実施し、シード状構造における粘弾性応力(界面活性剤ミセル)の役割を吟味する。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)
Proceedings of the fifteenth European Turbulence International Symposium of Turbulence Conference, Delft, The Netherlands, 25-28 August, 2015
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