研究課題
手技の向上,免疫管理の高度化などにより移植医療は確立された医療として世界的に期待が高い.特に,代替医療の存在しない末期肝臓疾患においては肝臓移植は唯一の治療であり,医療費高騰に要因でもある透析患者にとってもQOLが高く,社会医療の観点からも有用な腎蔵移植は医療費の観点からも重要である.しかしながら臓器不足は深刻であり,これらを解決可能な高度な移植医療技術,さらには次世代の再生医療をはじめとする未来医療の技術確立のために,微視的ならびに巨視的な視点からの臓器機能維持 ,再生,評価にむけた肝蔵内灌流による流動特性を解明することが重要である.特に,虚血再灌流障害として現れる臓器内不均一流動 分布特性,血再灌流障害下の流動特性,脈管相互制御機構に着目し,大動物(ブタ)による生体内灌流,体外機械灌流による複合計測 実験にあわせ,数値流体解析と局所モデル解析を組み合わせた解析的手法を有機的に併用し,これらを相互に比較検討し解明,評価を 実施した.特に,心停止後に移植される臓器を想定し,以下の結果を得た.大動物実験による巨視的な複合流動計測:虚血時間の異なる(WIT0,WIT60)条件の臓器の体内灌流,体外機械灌流実験を実施した.独自に開発した臓器体外灌流液循環装置によ り,肝臓ならびに腎臓に着目し実験をおこなった.圧力や流量,温度変化にともなう酸素,逸脱酵素動態など既存の流動計測手法に加え,時空間温度分布計測による流動評価手法を開発し,他の手法とも組み合わせ低侵襲で流動分布特性を評価した.これらをふまえ,さらなる再生医療などの知見を活用し,今後研究を発展させることで,臓器の再生に向けた医療 技術の開発が可能になると考えられる.臓器工学発展への基盤となる知見を整理した.
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Transplantation Proceedings
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1016/j.transproceed.2018.04.020
10.1016/j.transproceed.2018.02.184
10.1016/j.transproceed.2018.03.055
移植
http://www.comp.tmu.ac.jp/obaken/